40年前の嫉妬

40年前の嫉妬が、時を超えて私の元に届いた。
それは古い小箱を開けた瞬間、立ち上る匂いにも似ていた。

時は帰省中、田舎道を走る車の中。運転は妹。

今年は息子の高校受験。学校選択の話から、私たちの受験の話になった。
​​SML
「選択肢ってなかったよね」と妹が言った。

狭い田舎町。
4つの高校に成績順に振り分けられるだけの進路指導。
妹たちはすんなりとそのコースに乗った。
それは「普通」のことだった。
けれど、私は行くべき高校ではなく、成績では一つ下の高校を選んだ。

なぜって?
野球少年になりたかった(そして頭の中では、なっていた)!
高校でソフトボール部に入りたかったんダァ〜!

長男として私に期待していた父の
夢と希望をバットで盛大に殴り倒した、
ちょっぴり反抗期も混じった日々。
父はすでに亡く、そのことについては落とし前もつけ、
家族的にはオールグリーン。

妹がポツリと言った。
「知ってる? Sちゃん(実家では母は「ちゃん」付け)近所の人に言われたんだってさ。

「おめさんとこの娘がH高に入ったすけ、一人落ちたんだて」

じゃっぶ〜ん。

翻訳しよう。標準語では

「あなたの娘さんが入るはずの高校に入らず、一つランクを下げたため、本来ならその高校に入るはずだった一人が落ちた」

ということらしい。

はあ〜。

もう一回

はあ〜。

これって、嫉妬?

すっご〜い。嫉妬されてたんだ、私。

田舎町は怖いな、ということでこの話のオチをつけてもいい。
しかし、真のホラーはこの後に控えている。

最近、嫉妬祭り、嫉妬ブーム。
あの人にも、この人にも嫉妬。
しちゃいけないって、思わされてきた嫉妬。
上記の出来事にも背を押され、
思い切ってしてみようということで、やってみたよ。
やってみたら、意外なオチが見えてきた。

1、私が嫉妬を感じる人は「何か」にしがみついている。
2、私はその「何か」に興味がない。
3、その人は「何か」にしがみつくあまり、目の前にいる私のことを見ていない。
4、私は尊重されていないと感じる。
5、おいこっち向けよ、となる。
6、すると、それは嫉妬ではない。
⭐️✨
7、実はその人こそ私を嫉妬している。
(7はあくまで仮定)

ざば〜ん

「嫉妬」という言葉をWikipediaで引いてみた。

 嫉妬(jealousy)と羨望(envy)とか、いろいろある。
読んでもよくわからない。

だから、言いたかったことは
なんでも体験してみればいい、ということ。

感じることがいけない、と思っていると正体がわからないままぐんぐん大きくなり、元がなんだったのかを忘れてしまう。

嫉妬している、という玉ねぎの皮をむいていったら、嫉妬されているかも(あくまでかもです)、という真逆の結論にたどり着いた。

人間はとても、面白い。

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP