キーストーン

昔々

オオカミに自分を重ね合わせていた時

それは

孤独 とか
迫害 とか
かっこよさ とか
の部分だったんだと思う。

狭すぎる町で、能力を持て余し
物干しで夜空にほえた
可愛い思春期の自分。

それはそれでよし。
​​SML
イエロー・ストーン公園でのオオカミ復活を知ってから
オオカミ本を手に取ることが多く
最新の知見に触れ、オオカミと出会いなおしている。

その中の一冊「オオカミと森の教科書」で
​​SLXL
オオカミは「キーストーン種」と言われることを知った。

「キーストーン種」???

「比較的少数なのに、取り除くと生態系全体のバランスと
景観にまで連鎖的に大きな影響を与える種」
のことだそうだ。

こう聞くと初めに浮かぶのは生物の授業で習った
「捕食者・被食者」のグラフかもしれない。
簡単に言うと、狼がシカを食べ、シカが減る。すると、狼も減り、またシカの数が回復すると言う仕組み。

だが、ことはそう単純ではなかった。

実は、狼のハンターとしての成功率はあまり高くない。
単体で見た場合、ネコ科の大型獣、トラやライオンのような圧倒的な力があるわけではないし、群れでする狩も取り逃がすことも結構ある。
「オオカミと森の教科書」から引用する。

その能力不足を補うために、狼は持久力を生かしてひたすら追い続ける狩の作法を選択した。獲物を走らせて、よく観察して、集団で追いかけ、弱い個体を見つけだす賢さもある。(P214)

イエローストーン公園の植生が回復したのは、狼が単純にエルクを捕食したからだけでなく、
エルクの行動を川岸から遠ざけ、
常に警戒する必要からその繁殖を抑えたからで、
結果として生態系全体が、バランスを取り戻しつつある。

この違い、分かるだろうか?

ああ、やっぱり、と私は思った。

私は狼でいい。いや狼がいい。

「獲物を追ってどこまでも走る続けられる持久力と
パックの集団行動」

これが私の強みだということを自覚し、
ますます狼として生きよう。
時々、頑固な羊を噛み殺さなくてはならないとしても。

次のテーマは「集団の健全性」。
病んだグループにお困りの方、ぜひご相談くださいませ。

ちなみに「キーストーン」とは
「石組みのアーチを安定させるため、
その頂点にはめ込むくさび形の石のこと。
これがないとアーチは崩壊してしまう」(P211)

あなたも、きっとどこかでキーストーン。

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